JobHouse若手(ジョブハウス若手)では若い方の仕事探しの支援をさせていただいておりますが、一般的な仕事探しの選択肢として「ハローワーク(公共職業安定所)」で仕事を探すというのがあります。

ハローワークではお仕事探し以外にも、転職に関わる給付金の受け取りができます。このコラムでは受け取れる給付金を中心に、どんな条件でどれだけもらえるのかも交えてご紹介していきます。

 

代表的な手当・給付金 


失業手当

失業手当は失業保険と呼ばれることもあります。仕事を辞めて失業中の人が、次のお仕事が見つかるまでの間にかかるお金を支援してくれます。

雇用保険を納めていた期間があれば、条件により1カ月半~1年の間で、退職前の給料とほとんど同じ水準の手当を受け取ることができます。

 

受給条件

受給資格

・仕事を探しているという、求職活動の実績がある

・雇用保険を納めていた期間がある

・必要書類を揃え、相談を行っている

・仕事を辞めてから一定の期間が経っている

給付金額

≪例≫

辞める半年前から辞めるまで毎月20万もらっていたら…

1日あたり6666円もらえる!

仕事辞めるまでの半年間でもらったのは120万円

単純に計算すると1日あたり120(万円)÷180(日)=0.6666…(万円/日)≒6666(円/日)

 

・辞める半年前~辞めた日までにもらった賃金(賞与等を除く)を合計して180で割って出した1日あたりの金額

→基本的には退職前の給料とほとんど同じ水準でもらえる

 

1日に支払われる額の上限(平成29年8月現在)

・30歳未満 6,710円

・30歳以上45歳未満 7,455円

・45歳以上60歳未満 8,205円

・60歳以上65歳未満 7,042円

受給期間

・自己都合で退職した場合:

退職の3~4か月後から90日~150日

・会社の都合で退職した場合:

退職の約1ヶ月後から90日~360日

※退職理由や保険の加入期間にもよって変わります

 

※出典:基本手当について(ハローワークインターネットサービス)

 

再就職手当

失業中の方が就職が決まると、失業手当でもらうはずであった残りのお金の何割かを、一括で受け取ることができます。

また1年以上という長期間のお仕事ではなくて短い期間のお仕事が見つかった場合は、就業手当という別の手当を受け取ることができます。

 

受給条件

受給資格

・以前と異なる会社へ就職

・ハローワークなどを仲介する

・1年以上働くことが決まっている

→短期の職業の場合「就業手当」という別の手当になる

・過去3年間で再就職手当の制度を利用していない

給付金額

≪例≫

例えば1日6000円で150日間失業手当がもらえる予定なら

トータルでもらえるはずだった額は90万円

 

・支給日数100日以上残っているなら54万円

・支給日数50日以上残っているなら45万円

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・失業手当の給付日数が3分の2以上残っている場合:

本来支給される分の6割

・失業手当の給付日数が3分の1以上残っている場合:

本来支給される分の半分

 

受給期間

一括で支給

 

職業訓練給付金

職業訓練とは仕事に必要な知識やスキルを身につけるために行うもので、転職したい人は転職に有利な資格をとるためにこの訓練を活用します。

職業訓練自体は利用者の費用負担はありません。一定の条件を満たせば、生活費用を負担する目的として月10万円程度、訓練を受けている期間中受け取ることができます。


職業訓練にご興味のある方は月10万もらって資格がとれる!ハロワの職業訓練まとめのコラムをお読みいただき、理解を深めていただければと思います。

 

概要

・職業訓練受講手当

→職業訓練を受けている人の生活費の一部を負担する

・通所手当

→職業訓練を受けている場所までの交通費を支給

・寄宿手当

→職業訓練を受けるために家から出て生活する人に支給

受給条件

受給資格

・本人収入が月8万円以下

・世帯全体の収入が月25万円以下

・世帯全体の金融資産が300万円以下

・現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない

・全ての訓練実施日に出席している

 (やむを得ない理由がある場合でも、支給単位期間ごとに8割以上の出席率がある)

・世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない

・過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない

 

※寄宿手当の場合、特に…

・訓練を受けるため同居の配偶者などと別居して寄宿する場合でハローワークが必要性を認められた人が対象

給付金額

・職業訓練受講手当:月額10万円

・通所手当:職業訓練実施期間までの通所経路に応じた所定の額(上限額あり)

・寄宿手当:月額10,700円

受給期間

職業訓練開始から終了までの、訓練期間中

 

※出典:職業訓練受講給付金(求職者支援制度)厚生労働省

 


こんな給付金も!


 教育訓練給付金

教育訓練給付金は、厚生労働省が指定する講座や研修を利用したときに受け取ることができます。受け取ることができる金額は受講にかかった費用の2割です。

 

教育訓練給付金は似たような名前の職業訓練給付金とは少し違う給付金となっています。

職業訓練は利用者の負担がありませんので、職業訓練給付金は職業訓練を受けているけれど生活が厳しい人に生活費を支援するものになっています。

一方で教育訓練給付金は、基本的に実費で訓練に通う受講者に費用の一部を負担する、という違いがあります。

 

支給対象

(受給資格)

・厚生労働大臣が認めた教育講座を受けている

・雇用保険を3年以上納めていた

・受講開始日まで1年以内である

支給額

≪例≫

受講費用が5万円の場合、1万円もらえる

 

受講費用の2割

※上限10万円まで

※4000円未満の場合支給なし

受給期間

一括で支給

その他備考

1回受け取ると3年利用不可

 

※出典:教育訓練給付制度(ハローワーク)

 

傷病手当

病気やケガをして、就職・転職ができない人が受け取ることができる手当となっています。完治までに最低15日以上かかる人が対象となっており、もらえる額としては失業手当の日額と同じで、退職前の給料とほとんど同じ水準で受け取ることができます。

 

支給対象

(受給資格)

・15日以上完治にかかる人

・ハローワークでの病気やケガの認定が必要

支給額

・基本手当(失業手当)の日額と同じ

 

≪失業手当≫

・辞める半年前~辞めた日までにもらった賃金(賞与等を除く)を合計して180で割って出した1日あたりの金額

→基本的には退職前の給料とほとんど同じ水準でもらえる

≪例≫

辞める半年前から辞めるまで毎月20万もらっていたら…

1日あたり6666円もらえる!

仕事辞めるまでの半年間でもらったのは120万円

単純に計算すると1日あたり120(万円)÷180(日)=0.6666…(万円/日)≒6666(円/日)

 

1日に支払われる額の上限(平成29年8月現在)

・30歳未満 6,710円

・30歳以上45歳未満 7,455円

・45歳以上60歳未満 8,205円

・60歳以上65歳未満 7,042円

受給期間

・完治するまでの間

・30日以上仕事ができない場合には4年間まで受給期間を延長することができる

 

※出典:傷病手当について(ハローワーク)

 

育児休業給付金

ハローワークでは、雇用保険にさえ入っていれば育児休暇中の人が受け取れる育児休業給付金の手続きもすることができます。

もらえる期間は基本的に1年で、基本的に育休をとる前にもらっていた給料の半分近く受け取ることができます。

 

支給対象

(受給資格)

・育休開始する日より2年以内に12ヶ月以上、雇用保険に加入している

・育休期間中の各1ヶ月ごとに、休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の80%以上の賃金が支払われていない

・働いている日数が1ヶ月に10日(10日を超える場合は80時間)以下

支給額

≪例≫

月収25万円の人が子供が1歳になるまでに育休を取得すると…

・開始から6カ月

25(万円/月)×67(%)≒16.75(万円/月)

→1カ月あたり16万7500円!

 

・開始から6カ月以降

25(万円/月)×50(%)≒12.5(万円/月)

→1カ月あたり12万5000円!

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・最初の180日(6カ月)

休業開始時賃金日額(=6カ月分の給料÷180日)×支給日数×67%

・それ以降

休業開始時賃金日額(=6カ月分の給料÷180日)×支給日数×50%

受給期間

育児休暇期間中

 

※出典:

「平成29年1月施行対応 育児・介護休業等に関する規則の規定例」(厚生労働省)

育児休業給付について(ハローワーク)

 

日雇労働求職者給付金

日雇労働者が失業した場合、日雇労働求職者給付金を受け取ることができます。

ここで言う日雇労働者とは単発での派遣のお仕事や、30日以内の短期で派遣のお仕事をしている方を指します。

1日4200円~7500円を1月に13~17日受け取るため、1カ月で5万円~12万円程度の計算になります。

 

支給対象

(受給資格)

・ハローワークに資格取得届を提出し、ハローワーク所長に「日雇労働被保険者」であることを確認してもらう

・日雇労働被保険者手帳の交付を受ける

・仕事がある日は事業主に手帳に雇用保険印紙を貼ってもらう

支給額

条件によって、1日あたり4200円~7500円

受給期間

条件によって1月に13~17日

 

日雇労働求職者給付金について(ハローワーク)

 


給付金を受け取るうえでの注意点

申請手続きは複雑で時間がかかる

今まで見てきたように、ハローワークで受け取れる給付金の種類にはさまざまあります。受給手続きは複雑で時間がかかるものになっていますので、「給付金をもらおう」と思ったらハローワーク職員の方と相談しながら進めていくのが良いです。

職員の方に相談することで、手続きにかかる手間が少なくなったり、書類の不備を見つけやすくなったりします。特に初めて手続きをする方は戸惑うことも多いかと思いますので、ぜひ相談してみてください。

また手続きのときには印鑑や身分証明書を使うことも多いため、携帯しておくと便利ですので、持ち歩くことをおすすめいたします。

 

不正受給をすると3倍にして返すことに…

「不正受給をしよう」と思ってする方はあまりいらっしゃらないと思いますが、給付金手続きは複雑になっていますので、気がつかないうちに不正受給をしてしまうかもしれません

もし誤った方法で受給すると、受給が停止するほか、「受給した額の3倍にして返還しなければならない」厳しいペナルティがあるということを、頭に留めておいていただければと思います。

 

例えば失業手当であれば以下のような場合は不正受給にあたることがありますので、

  • 書類の記入・収入の申告などは正確に
  • 就職が決まったことや短期でも働いたことは必ず報告

が大切になっていきます。


≪不正受給に当たる例≫

  • 離職票の内容に誤りがあった
  • 就職が決まったことを失業認定申告書に書いていなかった
  • 受給中に得ていた収入の申告額に偽りがあった
  • 受給資格証を他人に譲り渡した
  • 労災保険による給付金を受けているときに雇用保険を受け取る


最後に

以上で「【5分でわかる】ハローワークでもらえる給付金をまとめました!」のコラムは終わります。

ジョブハウス若手》には、この他にも〈ハローワークの登録に関するコラム〉や〈ハローワークでの求人の応募方法に関するコラム〉などを掲載しているので、ハローワークを利用しようと考えている方はあわせてご覧ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!