日本国内のほとんどの工場は「事故防止のための対策」や「安全性を高めるためのルール」をしっかり設け、従業員の安全確保に努めています。

しかし、工場や会社がどんなに対策を講じていても、現場で働く人がルールを理解していなければ、安全な職場環境は維持できません。

そこで、工場で安全に働く上で知っておきたいルールをはじめ、「工場での事故や危険」について、ジョブハウス編集部が多方面から調査しました!

「工場で働こうと思っているけれど、事故のリスクが大きいって本当?」

「工場でケガをしないで過ごすためには、どんなことに気をつければいいの?」

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

工場で起きるかもしれない危険な事故とは?

まずは工場で起こる事故のなかでも代表的なものを紹介します。

以下はあくまで例であり、工場で取り扱う機械や製品によってもさまざまな事態が想定されるでしょう。

転落 高い場所の工具を取ろうとした時/急いで階段を降りる時 など
転倒 重量物を持って移動している時/コンベアをまたごうとした時 など
飛来 機材から弾かれた材料や部品が飛んできた時 など
落下 看板や掲示物などが頭上から落ちてきた時 など
倒壊 立てかけていた台車や、積み上げていた段ボールが倒れてきた時 など

この他にも、機材などに手足を挟まれたり、巻き込まれたりする事例もあります。

さらにフォークリフト等を使用している職場では、追突事故などの可能性もあります。

これらの事故は大ケガにつながる場合も多いため、特に注意が必要です。

工場での事故を防ぐためにできること

それでは、工場での事故を防ぐため、実際にどのような取り組みができるのでしょうか。

業務の効率化を進める「5S活動」

事故防止を目的として、多くの工場では「5S活動」と呼ばれる取り組みが行われています。

工場で安全に働くために、まずはこの「5S」について知識を深めておきましょう。

以下が「5S」の詳しい内容です。

整理(Seiri) 必要なものと不要なものを意識的に分別し、不要なものはすぐに処分する。
整頓(Seiton) 必要なものを使いやすいよう、置き場所やしまう向きなどをあらかじめ決めておき、その決まりに則って片付ける。
清掃(Seisou) 機械設備や身辺を常時キレイに保ち、散らかったらこまめに掃除する。
清潔(Seiketsu 上記の3つの「S」を徹底することで、職場が汚れたり散らかったりするのを避ける。
しつけ(Shitsuke) 決められたルールを1人1人が確実に実行できるよう習慣づける。

危険予知のために行う「KYT訓練」

先に紹介した「5S活動」に加え、工場での事故を防ぐために実践されているのが「KYT訓練」です。

「KYT」とは「危険(Kiken)」「予知(Yochi)」「トレーニング(Training)」の頭文字を取ったもので「工場での危険を予知するための訓練」を意味します。

業務上不可欠な機械や重機がある以上、ほとんどの工場には事故のリスクが潜んでいます。

その原因や危険性について、現場での実際の作業やイラストを通じて洗い出し、グループで解決する、というのがKYT訓練の内容です。 

KYT訓練には4つのラウンドが設定されていて、以下のようなステップで訓練を進めることになっています。

1R 事実・現状の把握 まずは現在の現場の状況を細かく把握し、その中に潜んでいるリスクを1つずつ明らかにする。
2R 原因を探る 1Rで明らかになったリスクについて、1つ1つの背景や原因を探り、危険度の順位付けを行う。
3R 対策を練る 2Rで行った順位付けに則って、危険度の高い順に、対策案をディスカッションする。
4R 行動計画を立てる 3Rのディスカッションの結果、導き出された対策案を具体的な計画に落とし込み、その計画を組織全体の認識として共有する。

ヒヤリハットにご注意を!

「ヒヤリハット」という言葉も、安全な工場ライフを送るために知っておきたい大切なキーワードです。

ヒヤリハットとは、文字通り「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった「あと一歩で事故になるような状況」のことを指します。

実際に自分がそうした危険な状況に直面した場合には、速やかに会社や組織に報告しましょう。

一緒に働くメンバー間でヒヤリハット経験の情報を共有すれば、同じ事態が起きないように事前に対策できるため、職場全体の安全性を高めることにつながります。

もしもケガをしたら?対処法はこちら!

さて、ここまでご紹介したような対策を講じたとしても、工場でのケガの可能性が完全にゼロになるわけではありません。

もしも工場で働いていてケガをしてしまったら、必ず労災指定の病院で治療を受けましょう。

労災に認定された場合、治療費は労災保険でまかなわれるため、ケガをした本人が支払う必要はありません。

しかし労災指定ではない病院で治療を受けると、一旦本人が全額支払うことになってしまいます。

この場合も、後から労災認定されれば還付を受けることができますが、一時的とはいえまとまった金額を立替えるのを避けるには、はじめから労災指定の病院を利用するのがよさそうです。

なお、労災認定を受けるには、労災申請書などの書類を記入する必要があります。

そのため、ケガをした場所や関わった人などをしっかりと覚えておきましょう。

後から確認できるよう、ケガをした時の状況をメモしておくのも有効な手段です。

働く前の確認も大切

新しい職場で働き始める前に、そこが安全に働ける環境かどうか見極める手段についてもご紹介します。

まず、その工場で実際に働いていた人の口コミを確認す、という方法があります。

この方法なら、インターネットの口コミサイトなどをチェックすることで、社風や現場の雰囲気などを手軽に知ることができるという利点があります。

ただし、口コミサイト上の匿名の情報を完全に鵜呑みにするのは危険、という点も心に留めておくとよいでしょう。

また、働き始める前に職場見学をする、という方法もあります。

面接の際などに、工場側から工場見学を提案してくれる場合もありますが、こちらから言い出さないと見学できないこともあります。

工場見学するよう勧められなかった場合は、面接時に「実際の職場を拝見したいです」とリクエストしてみましょう。

まとめ

さて、工場でのお仕事にともなうリスクや、工場での事故を回避する取り組み、また万が一工場でケガをしてしまった際の対処法などをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

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