ジョブハウス工場ではお仕事探しの支援をさせていただいておりますが、一般的な仕事探しの選択肢として「ハローワーク(公共職業安定所)」で仕事を探すという方法があります。

ハローワークではお仕事探し以外にも、転職に関わる給付金の受け取りができます。このコラムでは受け取れる給付金を中心に、どんな条件でどれだけもらえるのかも交えてご紹介していきます。 

代表的な手当・給付金 

この章では、ハローワークで受け取れる代表的な手当や給付金についてご紹介します。

失業手当

失業手当(失業保険)とは、退職した人が次の就職先を探すまでの間にかかる生活費を支援する手当のことです。現在就業していない人が対象で、アルバイト・パートとして働いている人、次の就職先が決まっている人は支給の対象外となります。もし不正が見つかった場合、支給停止や一括返還などの措置を取られる場合がありますのでご注意ください。

失業手当の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 雇用保険の被保険者期間が1年以上であること(倒産・解雇の場合は6ヶ月)
  • 再就職の意志があること
受給プロセス
  1. 必要なものを準備する(離職票・本人確認書類〈運転免許証/マイナンバーカードなど〉・預金通帳・顔写真2枚
  2. 管轄のハローワークに行き、求職申込をして受給資格を得る
  3. 雇用保険説明会に出席する
  4. 待機期間や給付制限期間を経て失業認定完了
  5. 基本手当の受給開始(会社都合退職の場合:受給資格を得てから7日後)(自己都合の場合:7日+2ヶ月後)

再就職手当

再就職手当とは、失業手当の受給資格を満たしている人が、早い段階で再就職をした場合にもらえる手当のことです。早く安定した職業に就くことを促すのが目的で、次の仕事が早く決まるほど手当の給付率が高くなります。

再就職手当の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 受給手続き後、待機期間(7日間)満了後の再就職であること
  • 失業手当の支給残日数が3分の1以上残っていること
  • 離職した前の勤め先に再就職していないこと
  • 再就職先がハローワーク、または人材紹介会社経由で決定した会社であること
  • 再就職先において、1年以上勤務することが確実であること
  • 雇用保険の被保険者になっていること
  • 過去3年以内に、再就職手当などを受給していないこと
  • 受給資格決定前に、再就職先が決まっていないこと
受給プロセス
  1. 管轄のハローワークに行き、「採用証明書」を提出する
  2. ハローワークに「採用証明書」「雇用保険受給資格者証」「失業認定報告書」の3点を提出する
  3. 再就職先に「再就職手当支給申請書」を提出する
  4. ハローワークに「再就職手当支給申請書」と「雇用保険受給資格者証」を提出する
  5. 受給開始(申請後、約1週間程度)

 職業訓練給付金

職業訓練給付金とは、職業訓練を受けて知識や技能を身につけてから再就職を目指す人に向けた給付金です。こちらは何らかの事情によって雇用保険を受けられない人が対象となります。

職業訓練給付金の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 本人の収入が月8万円以下であること
  • 世帯全体の収入が25万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下であること
  • 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していないこと
  • 全ての職業訓練実施日に出席していること
  • 世帯の中に給付金を受給して訓練を受けている人がいないこと
  • 過去3年以内に、不正行為によって特定の給付金の支給を受けていないこと
  • 過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていないこと
受給プロセス
  1. 管轄のハローワークに行き、求職申込をする
  2. 求職者支援制度の説明を受けた後、受給を希望している旨を申し出る
  3. 職業相談を受け、訓練コースを選択する
  4. 訓練の受講申込をして、職業訓練を受ける
  5. 指定された日にハローワークに行き受給申請をする
  6. 受給開始(申請後、約7〜10日後)

教育訓練給付金

教育訓練給付金とは、厚生労働省が指定する教育訓練を修了した際に受講費用の一部を受け取れるお金のことです。こちらはアルバイト・パートや派遣労働者も対象となり、キャリアを形成して被保険者に雇用の安定と再就職を促すことを目的としています。受講期間のうち最大1年間分の費用を対象に、総額の20%(上限10万円)を受け取れます。

教育訓練給付金の詳細については以下をご覧ください。

受給要件
  • 厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了していること
  • 離職してから1年以内であり、今までに教育訓練給付を受けていないこと
  • 雇用保険の加入期間が1年以上であること(初回の場合)
受給プロセス
  1. 必要なものを準備する(給付金の支給申請書・教育訓練の修了証明書・領収書)
  2. 管轄のハローワークに行き、上記3つの書類を提出し受給申請をする
  3. 受給開始(申請後、約1週間程度)

傷病手当金

傷病手当金とは、被保険者が病気やケガなどで会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給される手当です。支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヶ月となります。

傷病手当の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 病気やケガの療養のための休業で、完治に15日以上かかること
  • 被保険者が仕事に就けない状態にあること
  • 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいること
  • 休業した期間に給与の支払いを受けていないこと
受給プロセス
  1. 会社に休業する旨を伝え、「健康保険 傷病手当金支給申請書」をもらう
  2. 被保険者・医師・事業主がそれぞれ該当する書類に必要箇所を記入する
  3. 添付書類と併せて協会けんぽ、または健康保険組合に提出する

住居確保給付金

住居確保給付金とは、失業・廃業などで生計維持者の収入が減り、家賃が払えなくなった場合に支給される給付金です。また、就業中に収入が減ってしまった方も対象になります。支給額は市町村によって異なりますが、原則として家賃の約3ヶ月分で、延長は2回まで可能です。つまり、合計約9ヶ月分の家賃を住居確約給付金として受け取れます。

住居確約給付金の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 生計維持者が離職・廃業から2年以内であること
  • 直近の月の世帯収入合計額が、市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12と、家賃の合計額を超えていないこと
  • 現在の世帯の預貯金合計額が、各市町村で定める額を超えていないこと
  • ハローワークへ求職を申し込んでおり、再就職をする意志があること
受給プロセス
  1. 管轄のハローワークに行き、求職申込をする
  2. 生活困窮者自立相談支援機関に相談をし、書類を申請する
  3. 承認されたのを確認し、市区町村に書類を送付する
  4. 市町村に承認され次第、市町村から大家や賃貸業者に家賃が支払われる

寄宿手当

寄宿手当とは、公共職業訓練などを受けるためにホテルなどの宿泊施設を利用した際に支給される手当のことで、支給額は月額10,700円です。寄宿手当は公共職業訓練を受講する日にのみ支給され、公共職業訓練等受講開始前および受講終了後の寄宿した日については支給されません。

寄宿手当の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 通常の交通機関を利用し、通所するための往復所要時間が4時間以上であること
  • 交通機関の始発・終電などの便が悪く、通所が困難であること
  • 訓練を受講する訓練施設の特性によって、寄宿する必要があること
受給プロセス
  1. ハローワークで失業保険(雇用保険)の手続きをし、受給資格者証を受け取る
  2. 「公共職業訓練等受講届」と「公共職業訓練等通所届」に受給資格証を添えて提出する
  3. 失業認定の日に、「公共職業訓練等受講証明書」に受給資格証を添えて提出する
  4. 受給開始(雇用保険支給日に前月分の手当を支給)

高年齢求職者給付金

 高年齢求職者給付金とは、高年齢被保険者の人(65歳以上の雇用保険の加入者)が失業中に受け取れる給付金です。日額は、賃金日額の平均(離職以前6ヶ月の賃金の合計÷180)の5〜8割となります。給付期間は被保険者期間が1年未満の場合、受け取れるのは最大30日、1年以上の場合は最大50日となっています。

高年齢求職者給付金の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 退職時に雇用保険に加入しており、65歳以上であること
  • 退職した日の1年以内に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること
  • 再就職の意志を持っており、健康状態などに問題がないこと
受給プロセス
  1. 必要なものを準備する(離職票・本人確認書類〈運転免許証/マイナンバーカードなど〉・預金通帳・顔写真2枚)
  2. 管轄のハローワークに行き、求職申込をして受給資格を得る
  3. 雇用保険説明会に出席
  4. 待機期間や給付制限期間を経て失業認定完了
  5. 基本手当の給付開始(会社都合退職の場合:受給資格を得てから7日後)(自己都合の場合:7日+2ヶ月後)

特例一時金

特例一時金とは、短期特例被保険者の人が失業した場合に受け取れる手当です。基本手当日額の40日分に相当する額が支給され、受給期限は離職日の翌日から6ヶ月間となります。

特例一時金の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 退職するまでの1年間で、11日以上働いた月が通算して6ヶ月以上あること
  • 被保険者が失業の状態にあり、再就職の意志があること
受給プロセス
  1. 必要なものを準備する(離職票-1・離職票-2・本人確認書類〈運転免許証/マイナンバーカードなど〉・預金通帳・顔写真1枚
  2. 管轄のハローワークに行き、求職申込をして受給資格を得る
  3. 待機期間や給付制限期間を経て失業認定完了
  4. 受給開始(申請後、約1週間程度)

育児休業給付金

育児休業給付金とは、雇用保険の被保険者が1歳未満の子どもを養育することを目的とし、育児休業を取得した際に受け取れる給付金です。育児休業中に働くことができず、十分な収入を得られないパパ・ママが子育てに安心して専念できるよう定められました。

育児休業給付金の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 1歳未満の子どもを養育するために、育児休業を取得した雇用保険の被保険者であること
  • 育児休業を開始する前の2年間で賃金支払い基礎日数が11日以上、または月80時間以上勤務した期間が12ヶ月以上あること
  • 育児休業中の就業日数が最大10日以下、または月80時間以下であること
受給プロセス
  1. 事業主へ育児休業したい旨を伝える
  2. 事業主が管轄のハローワークに必要書類を提出する
  3. 被保険者が必要なものを準備し、事業主に提出する(育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付金支給申請書・払渡希望金融機関指定届・母子健康手帳)
  4. 管轄のハローワークに「育児休業給付受給資格確認票」「育児休業給付金支給申請書」「休業開始時賃金月額証明書」のほか母子健康手帳など育児を証明できるものを提出する
  5. 受給開始(休業開始からおよそ3〜4ヶ月前後)

日雇労働求職者給付金

日雇労働求職者給付金とは、日雇派遣で働いていた人が失業した際に受け取れる給付金です。ここでの失業とは、派遣が予定されていたものの何らかの理由で派遣されなかった場合を指しています。納付された印紙保険料の等級とその日数によって、日額7,500円、6,200円、4,100円ともらえる金額が異なります。

日雇労働求職者給付金の詳細については、以下をご覧ください。

受給要件
  • 短期派遣(30日以内)で働いている人
  • 雇用期間に定めのない仕事がしたい人
受給プロセス
  1. 管轄のハローワークに行き、「雇用保険日雇労働被保険者資格取得届」をもらう
  2. 住所を確認できる書類(住民票の写しなど)と、派遣会社から発行された「日雇労働被保険者派遣登録証明書」を提出する
  3. ハローワークから受け取った「日雇手帳」を派遣会社に提出する
  4. 派遣会社から賃金を受け取る際に、雇用保険印紙を貼り付けてもらう
  5. 失業した日の月と前月、前々月で雇用保険印紙が計26枚以上になると給付金の受給資格が得られる
  6. ハローワークに行き、「日雇手帳」「労働者派遣契約不成立証明書」、失業の認定に関する届書を提出する
  7. 受給開始


給付金を受け取るうえでの注意点

申請手続きは複雑で時間がかかる

今まで見てきたように、ハローワークで受け取れる給付金の種類にはさまざまあります。受給手続きは複雑で時間がかかるものになっていますので、「給付金をもらおう」と思ったらハローワーク職員の方と相談しながら進めていきましょう。

職員の方に相談することで、手続きにかかる手間が少なくなったり、書類の不備を見つけやすくなったりします。特に初めて手続きをする方は戸惑うことも多いかと思いますので、積極的に利用していきましょう。また、手続きのときには印鑑や身分証明書を使うことも多いため、常に携帯しておくのをおすすめします。

不正受給をすると3倍にして返すことに…

「不正受給をしよう」と思ってする方はあまりいらっしゃらないと思いますが、給付金手続きは複雑になっていますので、気づかないうちに不正受給をしてしまうかもしれません

もし誤った方法で受給すると、受給が停止するほか、「受給した額の3倍にして返還しなければならない」厳しいペナルティがあるということを、頭に留めておいていただければと思います。


例えば失業手当であれば以下のような場合は不正受給にあたることがありますので、

  • 書類の記入・収入の申告などは正確に
  • 就職が決まったことや短期でも働いたことは必ず報告

が大切になります。


≪不正受給に当たる例≫

  • 離職票の内容に誤りがあった
  • 就職が決まったことを失業認定申告書に書いていなかった
  • 受給中に得ていた収入の申告額に偽りがあった
  • 受給資格証を他人に譲り渡した
  • 労災保険による給付金を受けているときに雇用保険を受け取る


まとめ

このコラムでは、ハローワークで受けられる手当やもらえる給付金についてお伝えしました。

お仕事探しや手続きについて、1人では分からないことも多く不安もあるかと思います。そんなときはぜひハローワークに行き現状を相談してみましょう。

また、ジョブハウス工場では製造業・工場の求人を多数掲載しています。また無料の会員登録をしていただきますと、専任のキャリアアドバイザーが就業まで親身になってサポートします。こちらも合わせてご利用ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!