普段、意識する機会がさほど多くないため、なかなか知らない製紙・印刷業界の企業。この記事では大手企業を中心に、製紙・印刷業界の基本情報について説明していきます。


また1つ1つの印刷業界の大手企業について紹介した記事もございますので、併せてご覧になってください。

 



製紙・印刷業界についての基礎情報

植物の繊維などから紙を作る事業を指す「製紙業」。

そして主に雑誌や書籍、チラシやカタログなどの印刷を行う事業を指す「印刷業」。


印刷と製紙の業界売上高の合計は約10兆円にもなり、「紙」にまつわるこれら二業界は経済を支える大きな産業のひとつと言えます。


ここでは印刷業と製紙業、それぞれの簡単な業界情報についてご紹介していきます。

 

製紙業界

7世紀初頭に中国から日本へ製紙技術が伝わった当時、紙の原料には麻が使われていました。

その後、原料もコウゾなどが使われるようになり国内で独自の発展を遂げ、日本固有の和紙が作られるようになっていきました。


いま現在、我々が最もよく使う紙、いわゆる洋紙が日本で作られ始めたのは、ヨーロッパの進んだ技術が国内にもたらされるようになった明治初期のことです。


戦後から高度経済成長の時代を経て、紙の需要が高まると共に紙の種類も増え、日本は世界の製紙業の売り上げランキングでアメリカ・中国に次ぐ世界3位の製紙大国となりました。


近年、国内製紙市場の成熟化や、原料価格の乱高下によって製紙業界の売り上げ低迷が叫ばれていましたが、平成25年以降は景気の好転に伴い若干の売り上げ増加傾向にあるようです。


4兆7千億円にも及ぶ売り上げ(平成25年)を出す国内の製紙業界ですが、その業界売り上げのうちの半分は、製紙業大手企業の2社によるものなのです。


国内における製紙業最大手の王子ホールディングスと日本製紙については、次の項目でより詳しくご説明します。

 

印刷業界

日本での印刷業の定着は、1871年の政令による郵便切手の印刷からはじまりました。


その後、新聞の発行部数増大に比例して印刷業の需要は高まっていき、雑誌や書籍などの印刷も盛んにおこなわれるようになり、急速にその市場を拡大していきました。


欧米の高度な印刷技術が導入され始めた1900年前後には、多くの印刷業者が設立されました。


後でご紹介する、現在の業界最大手の二社である大日本印刷と凸版印刷もこの時期に設立された会社です。


印刷機の性能向上やなどの技術革新もあり、高度経済成長期を過ぎてからも安定的に成長を続けていた印刷業ですが、90年代のバブル崩壊の煽りを受けると一転して深刻な低迷期に突入し、近年でも業界の衰退傾向に歯止めがかかっていない状況です。


かつては情報伝達の主要媒体としての役割を持っていましたが、インターネットによる情報通信の発展でその役割を取って代わられた現在、印刷業界は全体として存立基盤を再び組み立て直していく必要に迫られています。

 


製紙・印刷業界の主要企業

 

製紙・印刷の両業界とも明治初期から始まった歴史のある産業であり、今の業界をささえる主要企業のほとんどは100年近い歴史を持つ老舗です。

ここでは製紙・印刷それぞれの業界のシェア上位企業をご紹介していきます。

 

製紙業界


王子ホールディングス

(シェア1位 / シェア28.1% / 売上高1兆3325億円)

王子ホールディングスは1873年に「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一によって設立された抄紙会社を前身とする、国内シェア1位、世界シェア6位の業界トップの企業です。


国内での印刷物への需要が成熟してきていることを受け、ブラジル・マレーシア・ニュージーランドなどへの海外進出に力をいれています


主要製品:トイレットロール ネピア

”引用:http://www.nepia.co.jp/product/homeuse/toilet/ ”


日本製紙

(シェア2位 / シェア22.8% / 売上高1兆812億円)

1949年に設立された日本製紙は三井グループと芙蓉グループに属する、日本製紙グループの中核企業です。


「木とともに未来を拓く」という標語を掲げているように、パルプの原料となる木材を有効活用したエネルギーや科学領域などの幅広いジャンルの事業を展開しているのが特長です。


主要製品:クレシア ティッシュペーパー クリネックス

   ”引用:http://kleenex.crecia.jp/kleenex/lineup.html ”


レンゴー

(シェア3位 / シェア11.0% / 売上高5,231億円)

創業から100年以上の歴史を持つレンゴーは、日本で段ボール事業をはじめた最初の会社として知られています。


「段ボール」という言葉自体、創業者の井上貞治郎氏が命名したもので、段ボールなどの梱包物や板紙の製造における国内最大手企業です。

 

主要製品;段ボール

   ”引用:http://www.rengo.co.jp/products/cardboard.html ”


大王製紙

(シェア4位 / シェア9.1% / 売上高4.300億円)

1943年に愛媛県で創業し、四国から全国に展開していった大王製紙は、今では「エリエール」に代表されるようなティッシュやトイレットペーパーなどの紙製家庭用品でよく知られる業界大手企業です。


その他にも新聞用紙や出版用紙をはじめ、印刷用紙や段ボールなどの様々な紙製品を扱うことで時代のニーズに柔軟に対応しながら、生産から販売までを全て自社で手がける総合製紙メーカーとしての立場を確立しています。


 主要製品:ティッシュペーパー エリエール

  ”引用:http://www.elleair.jp/products/tissue/elleair-tissue.php ”


・北越紀州製紙

北越紀州製紙は多種多様な紙製品を扱う中でも、”技術の北越”ともいわれる高い技術力を活かした塗工紙やエアフィルターなどの特殊紙の生産で知られる企業です。

特にシート化したガラス繊維を用いて作られるエアフィルターに関する技術レベルは世界屈指との呼び声も高く、アジアにおける精密機器工場のクリーンルームで使用されているエアフィルターの供給のほとんどを北越紀州製紙が受け持っています。

 

 印刷業界


・凸版印刷

(シェア1位 / 39.9% / 1兆5,320億円)

1900年に創業したトッパンは、日本経済と浮き沈みを共にしながら、海外にも多くの拠点を持つ世界最大規模の総合印刷会社へと成長しました。


紙の印刷以外にも多くの事業を展開しており、教科書の出版で知られる東京書籍や、地図情報サイトの走りであるマピオンなどが凸版印刷の事業会社としてよく知られています。

企業ロゴ:2020オリンピック協賛ロゴ

   ”引用:http://www.toppan.co.jp/tokyo2020.html ”


・大日本印刷

(シェア2位 / 37.7% / 1兆4,485億円)

略称のDNPという名前でも有名な大日本印刷は、しばしば業界トップの凸版印刷のライバルとして扱われます。

出版や写真フィルムなどの事業の企業買収を積極的に行っており、印刷以外の分野も含め、多角的に規模を拡大しています。

企業ロゴ:大日本印刷

 ”引用:http://www.dnp.co.jp/ ”


 


印刷・製紙工場がどんな人を募集しているのか

 

製紙工場での仕事

コピー用紙やノートの紙から、トイレットペーパーや紙コップまで、様々な紙製の日用品の生産を担う製紙工場の現場では、徹底した衛生環境・品質管理と、コツコツとした正確な作業が求められます。


また、自分の作ったものが世に出回るということにやりがいを感じる人が多いようです。

 

印刷工場での仕事

印刷工場での仕事として、印刷オペレーター・印刷物のチェック・印刷機械の整備などの職種が挙げられます。

印刷オペレーターや印刷機械の整備の仕事では大量の紙を持って運ぶような肉体労働も多くありますが、専門的な知識も必要とされるのでスキルアップが望める職種になっています。


一方で印刷物のチェックをする仕事は肉体労働の必要がないので、多くの女性の方が活躍するフィールドの職種です。

出版前の印刷物などを細かいところまで精察する必要があるので、身体を使わない分、集中力が必要になる仕事と言えるでしょう。

 


まとめ

製紙工場・印刷工場ではこのような人を募集しています。


・ものづくりにやりがいを持てる方

・身体を使った仕事に抵抗がない方

・集中力に自信のある方

 

 

最後に

以上で製紙・印刷の大手企業についての記事は終わります。

 


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また製紙・印刷業界の工場においては様々な職種があり、自分に合ったものが見つかるかもしれません。

 

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