現代において人や物の流通を担うドライバー業界は、経済の核と言っても過言ではありません。その現在の状況や市場規模を知ることは、ドライバー業界にこれから転職を考えている方にとっても、現在働いている方にとっても大切なことです。この記事がドライバー業界全体について知るきっかけになれば幸いです。

 

 

現在ドライバー業界の市場規模ってどのくらいなの?有名な会社は?

ひとえにドライバー業界といっても様々な仕事があり、仕事内容も業界によって異なります。主なドライバーの種類としては、バスドライバーや、タクシードライバー、トラックドライバーなどがあります。ここではそれぞれの業界の規模が現在の日本においてどのようになっているのか、またどのような会社が有名なのか説明していきます。

 

バス業界

まず1つ目はバス業界について説明していきます。バスドライバーは市内などの地域の公共交通機関として働く路線バスや、観光の際に利用される観光バス、学生や会社の従業員を送迎する送迎バスのドライバーを指します。

2015年次のバス市場は日本バス協会のデータから8728億円と推測されます。バス事業を行う有名な会社としては東急バスや国際興業バス、京成バスなどがあります。

 

タクシー業界

2つ目はタクシー業界について説明していきます。タクシードライバーというのは道端で手を上げて待つお客様や駅前のタクシー乗り場のお客様とするタクシーや、完全予約制の大手役員や海外VIPに利用されるハイヤー、高齢者の方や障害者の方に利用してもらう介護タクシーのドライバーを指します。

タクシーの市場規模は営業収入を参考にすると平成21年時点では1兆7760億円となっています。タクシー事業を行う有名な会社として日本交通や東京無線機用同組合、国際自動車などがあります。

 

トラック業界

3つ目はトラック業界について説明していきます。トラック業界には荷物を倉庫から倉庫へと配送する配送業と個人宅やオフィスに荷物を届ける運送業があります。ドライバーに関しては大型トラックや中型トラック、小型トラックドライバーといった様々な種類のドライバーがいます。

市場規模としてはトラック全体で行われている運送業から見て2015年時は18兆円ほどだと言われています。トラック業で有名な会社として日本通運、日立物流、名鉄運輸などがあります。運送業に関してはヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などがあります。 

 

それぞれのドライバーの労働環境は?年収、必要な資格は?

バスやタクシー、トラック業界についての現状について知っていただいたところで、次にそれぞれのドライバーの情報を簡単に紹介していきます。どのような労働環境なのか、平均年収はどのくらいなのか、どのような資格が必要なのかといった情報をお伝えします。


バスドライバー

最初にバスドライバーの勤務日数や勤務時間といった労働環境について説明していきます。勤務日数は週6日で、平均勤務時間は大体1日8時間ほどの勤務です。平均年収は430万円前後となっています。(年収に関しては勤務時間や勤務日数によって変わってくるため詳しい情報は各バス会社の情報をチェックしてください)

必要な資格については大型二種免許が必要になります。なお大型二種免許を受験するには普通自動車免許取得後から3年以上経過していなければいけないので注意が必要です。

 

タクシードライバー

次にタクシードライバーの勤務日数や勤務時間といった労働環境について説明していきます。タクシードライバーの勤務日数は勤務体系によって大きく変わります。

昼日勤、夜日勤と呼ばれる勤務体系では月平均出勤日数24-25日となっており、勤務時間は平均9時間となっています。隔日勤務と呼ばれるタクシー会社で多く採用されている勤務体系では朝8時から夜2時までの勤務で休憩が15時間となっておりますが平均出勤日数は12~13日と少なくなっています。

平均年収も給料体系が固定給や完全歩合制など様々ありますが、全国平均は300万円、東京平均で見ると400万円となっています。タクシーに必要な資格としては普通自動車二種免許が挙げられます。こちらの資格も普通自動車免許取得から3年以上経過していないと取得することができないので注意してください。

 

トラックドライバー

次にトラックドライバーの勤務日数や勤務時間といった労働環境について説明していきます。トラックドライバーは大きく2つに分けることができます。1つは大型・中型トラックドライバー、もう1つは小型トラックや宅配ドライバーです。

大型・中型トラックドライバーというのは主に荷揚げ場所から荷下ろし場所に荷物を運ぶ仕事、つまり倉庫から倉庫へと荷物を運ぶのが中心となっています。一方小型トラックや宅配ドライバーはオフィスや個人宅へといったところへのルート配送、荷物配送が中心になります。なおルート配送においては女性を採用している会社も数多くあります。

次に労働環境と平均年収について説明していきます。大型トラック・中型トラックドライバーの勤務時間・勤務日数に関しては配送先や会社によって大きく異なるので、その点については各社の求人記事をご覧ください。平均年収は436万円です。

一方小型トラック・配達ドライバーの場合の労働環境に関しては月平均出勤日数が20~23日都なっており、1日平均8時間の勤務となります。平均年収は387万円です。

次に必要な資格について説明していきます。大型トラック・中型トラックドライバーの場合、運転するトラックによって必要な資格が異なります。積載量6.5t以上のトラックに関しては大型自動車免許、積載量6.5t未満のトラックに関しては中型自動車免許が必要になります。

尚、荷物も積み卸しのためのフォークリフト免許があるといいかもしれません。小型トラック・配達ドライバーの場合は必要な資格としてはは普通自動車免許が挙げられます。 

 

各ドライバー業界の良いところ、悪いところは?どんな人におすすめ?

それぞれのドライバーの仕事や勤務体系などについてわかっていただいたところで次にそれぞれの仕事の良いところ、少し大変なところについて説明していきます。また総合的にみてどのような方におすすめなのか説明していきたいと思います。

 

バスドライバー

はじめにやや大変な点3つについて説明していきます。1つ目は勤務日数が多い点です。休みが週に1回ほどしか取得できず、体力的にキツイ時もあるそうです。そのため勤務体系が過酷であると言えます。

2つ目は勤務体系と給料が見合わないと感じてしまう点です。同じ、人を送り届ける仕事であるタクシーと比べてみても、勤務体系と給料が見合っていないと感じてしまう方もいます。もちろん若干の給料の違いはあります。

3つ目は交通事故は勿論、車内事故に関しても気を配る必要がある点です。これは立って乗るお客様がいるバスならではの大変な点でもあります。ちょっとした急ブレーキなどでお客様が転倒してしまった場合、責任をとるのはバス会社です。

そのためドライバーは最悪免許停止など重い処分が下されることがあります。そのためバスドライバーは運転は勿論、車内にも常に気を配らなければいけません。

次にバスドライバーの良い点について3つ説明していきます。1つ目は会社内での人間関係をあまり意識しなくて済むところです。バス会社では上司や他の人との関係があまりないため、サラリーマンのように上下関係に常に意識しなければならないということがあまりありません。

2つ目は運転が得意ならこの仕事に向いているという点です。営業のスキルや勉強が苦手という方でも、大型自動車の運転技術さえ身につけていれば心配することはありません。そのためドライバー業界を未経験の方でもバスドライバーとして働くことができます。

3つ目はお客様に感謝される機会が多い点です。これは路線バスに関して特に言える点なのですが、地域の移動手段を担うバスを利用する方はたくさんいらっしゃいます。そのため降りる際などに「ありがとう」と高齢者の方などに声をかけられることがよくあるそうです。

以上を踏まえてバスドライバーは次のような方におすすめだと考えられます。

 

・体力に自信のある方。

・運転テクニックに自信のある方。

・人間関係を意識せずに働きたい方。

・やりがいをもって仕事に取り組みたい方。

 

 

タクシードライバー

次にタクシードライバーの良いところ、少し大変なところ及び向いている方について説明していきます。

まずやや大変なところとして3つの点があります。

1つ目は勤務時間が長い点です。これは先ほども説明したように、現在タクシー業界で採用されている勤務体系に隔日勤務があります。この勤務体系だと一日15時間の勤務になるため、運転に慣れていない方にとっては少々過酷かも知れません。

2つ目は道を覚えるまでが大変である点です。タクシードライバーはお客様の様々な行き先に対応しなければなりません。その際道を覚えていなければ、お客様に道を聞くなりナビに頼るなりしなければなりません。

3つ目は酔っ払いのお客様が乗車した時が大変という点です。酔っ払いのお客様には話が通じなかったり、中には車内で吐いてしまう人もいます。そのためドライバーは酔っ払いの対応に苦労します。

次に良い点について3つ説明していきます。

まず1つ目は休みがかなり取得できる点です。先ほど説明した隔日勤務では長時間運転する代わり月に休みを週に3~4日取得することができます。そのため勤務日数が少ない割に給料がもらえると実感する方もいます。

2つ目は給料の一部が歩合制である点です。これは売り上げを稼げば稼ぐほど給料も高くなるということです。なりたてのドライバーにとってはきついのではと思う方もいるかもしれませんが、会社によってはある一定期間はノルマ分の歩合給を出してくれるところもあります。そのため心配する必要はありません。

3つ目は仕事の仕方が自由である点です。一度営業所から出庫すればどう稼ぐかはドライバーの自由です。そのため自分のやりたいように仕事がある程度できます。

以上を踏まえてタクシードライバーは次のような方に向いていると考えられます。

 

・道を覚えるのが得意な方。

・出勤数が少なくても稼げる仕事をやりたい方。

・頑張った分だけ給料に反映される仕事がしたい方。

・仕事は自分流にこなしていきたいという方。

 

 

トラックドライバー

次にトラックドライバーの良いところ、やや大変なところ及び向いている方について説明していきます。

まずやや大変なところとして3点あります。

1つ目は場合によって長時間労働になる時があるという点です。荷物を運送する際、目的地によっては朝から晩まで運転しなければいけない時もあります。

2つ目に運転以外の仕事をしなければいけない時がある点です。会社によっては荷物の手積みやフォークリフト作業といった様々な業務を任される時があります。

3つ目に歳をとってくるとより仕事がきつくなってくるという点です。これはどの仕事でも言えることかも知れませんが特にトラックドライバーの方の場合、先ほども説明したように長距離運転や力仕事など非常に体力を必要とする仕事です。肉体労働と言っても過言ではありません。そのため歳をとるにつれて仕事が大変になってきます。

次にトラックドライバーの良い点3つについて説明していきます。

1つ目は様々な資格を取得していくにあたっての費用を会社が負担してくれるという点です。

先ほど説明したフォークリフトの資格や、玉掛けと呼ばれるワイヤーロープなどを用いてクレーンで荷物を所定のいちまで運ぶ際に必要な講習にかかる費用は企業で負担してくれるのでお得です。またこれらの資格は他の職種でも役立つため、決して無駄にはなりません。

2つ目は仕事で様々な地域に行くことができる点です。配送先が地方などの際、配送しに行くがてらその地域を楽しむことができます。完全にリラックスした状態ではありませんが、仕事をしながら新しいことを発見しに行くことができるのもトラックドライバーの良い点でもあります。

3つ目に仕事にやりがいを持てるという点です。運送・配送業は現在の日本経済を担う重要な職種のひとつです。そのため自分の仕事が日本経済を支えているという大きなやりがいを仕事を通じて体験することができます。

以上を踏まえてトラックドライバーは次のような方に向いていると考えられます。

 

・様々な地域に行ってみたい方。

・仕事に大きなやりがいを持ちたい方。

・様々な資格を取得したい方。

・体力に自信のある方。

  

 

今後のドライバー業界の動向は?

各種ドライバーについて知っていただき、自分がどのドライバーに向いているか考えてもらったところで、次に今後のドライバー需要がどのようになっていくのか各種ドライバーについて説明していきます。

今後ドライバーに対する需要というのは業界全体で見て増加していくと考えられます。なぜドライバーの需要が高まっていくのか、それぞれの業種で理由を説明していきます。

まずバスドライバーについてですが、現在深刻な運転手不足に陥っています。

第一に先ほども説明したようにバスドライバーの勤務条件は過酷ということです。次に現在ドライバーとして活躍されている方の平均年齢は年々上昇しており、なおかつ6人に1人は60歳以上の方だということです。

3つ目に現在人手不足に加えて観光バスの受注が増加して来ていることもドライバー不足に拍車をかけているということです。

このように様々な理由からバスドライバーは人材不足のため、今後需要は今後ますます高まっていくと考えられます。

次にタクシードライバーの需要について説明していきます。タクシードライバーもバスドライバー同様需要が増加傾向にあります。タクシードライバーについても近年深刻な人手不足に陥っています。その理由としては大きく分けて2つあります。

1つ目の理由としてバスドライバーと同様、ドライバーの高齢化が挙げられます。高齢ドライバー達は次々とやめていくため、タクシー会社としては早急に人手を募集しなければなりません。

2つ目の理由として若年層からのタクシードライバーについてのイメージが悪いが故に若手ドライバーが集まらないことが挙げられます。若者達がタクシードライバーに対して抱くイメージは夜勤や、給料が歩合制といったものを持っています。そのためあまり若手ドライバーが集まらない傾向にあります。

このような理由からタクシー業界は深刻な人手不足に陥っているため、今後ますます需要が増加していくと考えられます。

またこれはバス業界についても同様のことが言えるのですが、近年海外からの訪日客が増え、2020年には東京オリンピックが開催されるなど、観光客による仕事増加もあります。そのためますます今後はドライバーに対する需要が増加してくると考えられます。

次にトラックドライバーの需要についてです。

こちらも人手不足によりドライバーの需要が高まっています。トラック業界において人手不足になる理由2つあります。

1つは賃金の低下です。これは輸送コスト(燃料費や人件費)が高まる中、仕事を受注するためには他社よりいかに料金を安くするかという点で競争が始まります。その時にもっとも影響を受けやすいのが人件費になります。そのため以前と比べてトラック業界では人件費削減を行っています。これによりドライバーの給料は低下し、長時間労働、低い給与という勤務条件によりドライバーが減少しています。

もう1つは配送する荷物の増加です。Amazonや楽天などといったサービスの普及によって一日に配達する量が増えたことにより、配達をさばいていくことが現状のドライバーの人数では不足しています。このような理由からトラックドライバーは人手不足であり、同時に需要が増加していることがわかります。

このようにドライバー業界全体を通して言えることは、人材確保が課題となっているため確実に需要が増しているということです。日本経済の核を担っているドライバー業界についての説明は以上になります。興味のある方は業種別により詳しい内容とともに説明している記事もありますので、そちらをご覧になってみてください。


ドライバー業界についての記事は以上になります。なお《ジョブハウスドライバー》にはタクシードライバーやバスドライバー、トラックドライバーの求人記事や紹介記事もあるので、よろしかったらそちらもご覧になってみてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!